空想&妄想小説~妄想デート・スキー編(前編)~

ご注意

※ これから出てくる人物名や名称、出来事や空間的なことなど、
  100%架空のものですので予めご了承下さいませ。

 

♪ゲレンデのカフェテラスで~滑るあなたにクギ付け~♪
♪恋人がサンタクロース、ほんとうはサンタクロース~♪

今日は12月23日 クリスマスイブイブだ!
夏にキャンプした仲間と一緒に、
今回はスキー場のコテージを借り、
スキー&クリスマスパーティーと洒落込むのだ~!(イェイ)

AM9:00
先週納車されたばかりの「スズキ・ジムニー1300」に
荷物を積み込み、いざ出発!!
「クックック…この車見たら、彼女ビックリするだろうな…」

僕のジムニーは、「ジュラシックパーク」仕様なのだ!
えっ?どんなやつかって??
あの恐竜映画に出てきたジープのカラーリングをそのままに
ホワイトとオレンジに塗り分けられて、
ドアには恐竜の絵が描いてあるのだ!
えっ!?
恥ずかしいって???
う~~~ん・・・
まあ~そうとも言えるけれど、
解る人には分かるはずなのだ!

街を走ると、
みんなの顔が微笑んでいた…
うん、さすがにクリスマスシーズンだね。良い事だ!うん。
しかし、
みんなはどうもこの車を見て笑っているようだ…
おお~!みんなジュラシックパークを知ってるのか???
笑われようが、
みんなの目に留まるのは
うれしい事だ!
僕は自慢げに、ジムニーのハンドルを握っていた。
交差点で止まると、
後ろの車の人が声をかけてきた…

「屋根に猫がのってますよ・・」

なんと、愛猫の「ガンダム」がスキーにつかまったまま
震えてるじゃないか~~~。
慌てて家に引き返した僕でした…。

指先確認で異物?が乗ってない事を確認し、
急いで彼女の家に車を走らせました。

「ご、ごめん…遅くなっちゃった。」

『ジープ借りてきたの??おもちゃ屋さんのお知り合いいるの?』

「おもちゃ・・・?(まあ~いい。彼女に話しても解らないだろう・・・)」

荷物を車に押し込んで、
それでは出発!!!。

「ねえ~ジュラシックパークって言う映画知らないの?」

『聞いたことはあるけれど、それが何?』

「この車さあ~その映画に出てきたジープにそっくりに塗ったんだよ・・」

『ごめん、全然わかんないや…あなたの車のドアに
ゴジラちゃんの絵があったのは不思議だけれど…それと関係あるの?』

「ゴジ・・ちゃん・・って、こ・これは恐竜なの!その映画にもここに恐竜が描いてあったのっ!」

『ふ~ん…てっきりウルトラマンに出てきた車かと思ったんだもん。
きっと、マニアックなおもちゃ屋さんか、動物病院さんが、
営業車をそういう風にしたと思ったんだもん。
あなたの友達だったら、そういう人居そうじゃん!!』

「・・・・・。」
(的中しているだけに、何もいえない僕でした・・・。)

もう車の話はやめよう…そうなんだよ、彼女はそんなに車に興味はないのだった…。

クリスマスミュージック♪をBGMに
山道を進んだ僕達は3時間ほどで、
無事到着!

拓哉君や福山君や大森君達、
みんなは、もうすでに集まっていた。

「こんにちは~~」

挨拶もそこそこ、
早速お部屋の飾りつけ…
拓哉君と福山君はクリスマスツリーの準備。
大森君は組み立て式のバーカウンターを車から降ろしセッティング・・・

彼女達は壁に飾りをつけたり、
テーブルのセッティングしたり…
僕はホテルにハンバーガーの買出しと夕食の予約手配を…
テラスの隅の雪の中に、バドワイザーをばらまき
これで準備終了!!
遅いハンバーガーのランチをとり
ゲレンデにレッツゴー!!

拓哉君や静香さん、
福山君やその彼女、名前はアスカさん、
大森君もななこさんも、
みんな、スキーは上手なのだ!!
いや、上手なんてモンじゃない…
このゲレンデで
あの6名以上の達人はいるのだろうか??
と思うくらい、うまいのだ!!
みんな活き活きとスキーを滑らせる…。

うう~このシーンはどこかで見たことが…
デジャブーってやつか???
いや、違う…
あの有名な映画「私をスキーにつれてって」みたいだ~~~!

彼らがリフトから僕に手を振る…

初心者用ゲレンデにて
まずは止まる事を練習している僕は
スキー初体験。
イメージはあるのだが、
勝手は違うようだ…
ちなみに、講師は僕の彼女。
情けないったらありゃしない…

彼女のお兄さんはスキーのオリンピック養成選手だったのだ!
その兄きと一緒にず~っと練習していたぼくの彼女は
あの6名よりスキーが上手いはずなのだ!
こんな青空で深雪が多いスキー場に来て
僕のような超初心者を相手に
インストラクターしているってことが、
申し訳なく思うのだ…。

カニさん歩きで20メートルのぼり
へっぴり腰で滑る・・・
そんなことを1時間ほどやっただけで、
汗びっしょり…。(情けない)
でも、まだ講習は続いた…

「休憩しましょう!」

『ほっ…やっと……ふう~。』

売店で生絞りジュースを一つ買い、
突き刺したスキーにストックを横に渡したものをイスにして、
広いゲレンデを見ながらの休息タイム…

『気持ちいいね~!』
と彼女が背伸びをしながら言った…。
しかし、
きっと彼女は不満だろうな、
ほんとうだったら、あの一番高い所から
バビュ~ンって滑ってくるはずなんだろうに、
僕と一緒だから、出来ないで居るんだよな…

『私、スキー場でこうしてゆっくり座って、お飲み物をいただくなんてしたこと無いんだ…
なんだか、嬉しいな~~~!
今まで、いつも兄と一緒だったから、滑ること以外は考えられなかったなあ~
今日は誘ってくれてありがとう!』

さすがは僕の彼女だ!良い言葉を知っている。うん。
嬉しさのあまり、ちょっと感動!

『さあ~休憩終わり!次はリフトに乗るわよ!』

リフトに乗るっていったって、
乗り方を知らない僕にとって、かなりの難題である…

『大丈夫!勇気を持ってエイヤって…OK!?』

「おっ・・OK!」
そう、彼女に問われ、そう言ってしまった僕だが、
勢いだけで何とかなるのだろうか????

僕の前に保育園くらいの子供がリフトに乗った…
良く見て、真似をしようと思ったのだが、
一瞬の出来事に、どう乗ったのか…
見えなかった。

『私達の番よ!行くわよ!!っせ~のっ!』
ひざにイスが当たり、
「おお~~」と思っているうちに、
何とか乗れたみたいだ…

足にスキー板の重さを感じ、
ドンドン高くなるリフト…
何処につかまって良いのか解らず
彼女の腕をつかむ僕…(う~情け無い×2)

この斜面を降りれるのか??
まあ~何とかなるだろう…
僕には大先生がついているのだ!
落ち着け!良し。うん。
そう思った矢先、
もう降りる場所に着いた…

「スキーの先を上げてください」
と書かれた看板があるが
一体どういうことだ??

彼女の指示により
その意味を理解し
降りる瞬間が来た…
彼女がす~っと降りたのを見た僕は…

!#####~~~??!!###%$&#”!!

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

僕はず~っと下を向いたまま赤面していた…。

「あはっはっははは・・・」
という笑い声が聞こえていた。
もう火が出るくらい恥ずかしかった…

実はリフトから降りれなかったのだ…。

気がついたら、彼女だけが降りて…
そのまま、す~っ と彼女は滑って行って…
こっちを見たのを確認した瞬間
僕はクルンと下に向かって・・・

下のリフト乗り場では

「ハイ、足元に気をつけて、そのまま座っていてくださ~い」
と、メガホンを持った係りの人が僕一人に声をかけていた…。
大勢の人が見ている中、
僕は必死に支柱につかまり、
また180度反転し、
そのままリフトで登り始めた僕でした…。

笑い声がいつまでも聞こえるようでした…。

僕が上の降りる所につくと…
(というか、一般的にスキーヤーが降りる場所なんだけれど…)
彼女と、係りの方々3名が居た・・。
そのほかにもギャラリーが?集まっていた。

『タイミングを言いますから、
  上手く降りてくださ~い』
と、メガホンで大きな声で言っていた…
『1-2-3、今だっ!』
僕は、全神経を集中し、その瞬間にすべてをかけた…

何とかお尻がイスからはなれ、
雪面にスキー板がついたとき…

『おおお~~
 パチパチパチ・・・』

たかがリフトに乗り、降りるという行為なのに、

初心者用ゲレンデが、熱く燃えた一瞬だった…。

(超はずかしい~~~~)

彼女からこっぴどく、しかられ、
険悪な雰囲気の中
厳しいスキースクールがはじまった…。

「ああ~…」
『ああ~じゃない!』

「うわあ~…」
『うわあ~じゃない!こうでしょ!しっかり良く見て!』

そんな事を繰り返すこと数十回…
リフトに乗ること7回…
怒られること数百回…。

もう~ヘトヘト。

時計の針は
4:50
ナイター照明がついていた…。

ちょうどそこに福山君達がやってきて、
「サンセット、一本行くか?」
と彼女を誘いにやって来た。

『う~んどうしようかな??』

「どうぞどうぞ、行って来て下さい。」

しかし、サンセットとはお洒落な言い方だね、福山君は…。
「この夕暮れを滑ろう」と言えば良いのにさ、
まあ~どっちにしろ、
カッコイイ奴は、やっぱりカッコが付くもんだ!

彼女達が戻ってくる間、
僕は一人、疲れた足を休めるのであった…

(後編へと続く)