空想&妄想小説~恋愛編 (前編)~

ご注意

※ これから出てくる人物名や名称、出来事や空間的なことなど、
  100%架空のものですので予めご了承下さいませ。

 

登場人物:MASAHIKO (有名デパート勤務/金持ちボンボン)
MAKO・・  (ABCカンパニー勤務・役職は係長)

 

前編

♪あの日あの時あの場所で君に会わなかったら~♪
by 東京ラブストーリー:小田和正

TVで大流行の東京ラブストーリー…
人気俳優が主演の人気ドラマだ!
そんな作り話のテレビをだらだらと見ていたオレであったが
もしも、こういう彼女が居たら…
なんてことを思う一人暮らしの寒い夜。
時計の針が10時をまわった時、
電話が鳴った…。

「おい!これから飲みに行こうぜ!」

友人と言えるほどではないが
最近知り合ったMASAHIKOという男だった。
DCブランドでバシッと決めている、にやけた野郎だ!
俺は出かけるのが面倒臭かったが、
断る理由も無いので、行く事にした。

待ち合わせはいつのも
イタリアン・カフェバー、アバンティー…
古いジャズの店だ。
俺はいつものカウンターの隅に座り、
バーテンのジェイクにいつもの酒を頼んだ。

「タカヤマサンイラッシャイ、バーボンノロック、オマタセイタシマシタ」
俺は三口でそれを飲みほし、
ジュークボックスにコインを入れた…

『お待たせ~!Mako・・』
MASAHIKOがやって来た…
いつものようにあいつは全身をブランド物で決め、
両腕に女を飾っていた…。
『Mako…どっちの女がいい?』

ワンレングス&ボディコンシャスルックの今時レディー…
どうせ、ディスコで引っ掛けたんだろうが、
それにしても、軟派な奴だ…
石原真理子気取りの小娘たちに
牙をむくとは…
と言いながらも
やっぱり、若い女の子は可愛い…
体のラインがきれいに出たその服やその容姿は
MASAHIKOじゃなくても
誘いたくなるだろう・・・

いつものリザーブ席に行き、
飲み明かそうという事になった…
結局、俺も軟派な奴だな。

どのくらい時間がたったんだろう…
アーリータイムズのボトルが終わりかけた時、
MASAHIKOとオレンジの服を着たショートカットの女が
「それじゃ、俺達はこれで!まったねえ~!」
と、一万円札を2枚置いて店を出て行った…

仕方がないので
俺達もこの店を出ることにした。
しかし、
行く所も無いし、どうしようかと考えていたところ、
「あの~私のマンションに行きませんか…」
と彼女が言い出した。
お酒が入っていたせいもあってか、
俺はそのまま、彼女に連れられて、
マンションに行く事にした。

聞けば
すぐ近くの高層ビルにあるマンションらしく、
また、そこのビルは
俺の部屋からすぐそこだ…

部屋に入ると
おおきな熱帯魚の水槽があり、
また、ホテルのような一室から見る都会の夜景は
お互いの気持ちを高ぶらせた…
スレンダーな彼女の体を抱きしめると
とても良い香りがした…
力を入れれば折れてしまいそうなくらいのその体に・・・

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朝になり、横で眠る彼女を置いて
俺はその部屋を出た…
お互い名前も聞かず、
連絡先も確かめず…

唯一、MASAHIKOが俺を呼ぶ時言った
「Mako」という名前だけを残して…

俺は自分の部屋に戻るとき、
上着の胸ポケットの中に、
紙切れがあることに気付いた…

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また、会って下さいね。
私の名前は

高杉 ミサキ です

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俺は、その紙切れ…を丸めて、道路に投げ捨てた・・・。