楽しい~と思えるレースとは・・・。
もう、10年以上前の事だが、
ある時、有名な雑誌の、これまた、あるページに
「最近MTBレースが楽しくないんだな・・・」という無責任な一言が載っていた・・・。
この瞬間から、日本各地で行われていたMTBレースに”陰り”を感じたのは本音だ。
楽しいか楽しくないか、そんな事、記事にすることじゃないし、雑誌で発表する事は
ただの「バカ」だと思った。いや、今でも真剣に思っている・・・。
当時、全国的にMTBレースイベントが全盛の中で、
いかにも、「変化球」を放った文章のつもりだったかもしれないが、残念な一言だった。
この記者(ライター)だけではなく、MTBのレースが楽しくなくなったと思った人も、
少なからず居たことも事実。(実は・・・私もその一人だったからね・・・)
だから、MTBブームが自然消滅のように過ぎ去ってしまったと思われる・・・。
つまらない → 楽しくない → 達成感が無い → 笑えない → 意味がない
せっかくの休日に、ネガティブな要素が詰まったイベントに誰が、参加するんだ!?
その事に、大会運営者が気が付かなかったのだろうか???
※(けっして、運営者の責任にしている訳ではない・・・)
楽しいレースって、コースにあると、私は思う。
1周、約20分~30分なんていう長時間コースは、
応援する家族や、ライダーも寂しくなります。
「これを2周して、誰が早いのか?」なんてのが、当時のスタイルでした。
20~40分にドラマを持たせようと、何処までも登らせ、乗れない山道を走らせ、
苦しいだけで、ただ疲れた・・・っていう事も、多々ありました。
一緒に行っていた、応援してくれる友人や家族は、
「行っても見れないから」という理由で
同行を拒み、結局、「走りに行く」だけを目的にした参加者達しかいなくなり、
選手(ライダー)は孤独感を感じながら黙々と走るだけという、
なんとも味気ないものになってしまった・・・。
結果、「レースが楽しくない・・・」と声に出してしまった人も、多かったのだと推測します。
MTBブームが過ぎたとか、今はロードレーサーだとか、いろいろな事が言われているが
今のMTB事情は変わってきています。もちろんレースもそうです。
先日行われた、シマノ・バイカーズフェスティバルIN富士見パノラマ。
さすが20年以上の歴史を持つレースだ。ずばり、楽しいのだ。
いや、時代に合わせた、楽しいイベントに変化して来たのだ!
クロスカントリーコースは、一周7~8分で走りきれ、勾配も少ないコースでした。
ベテランライダーならば、5分台で走っていたし、
初心者や体力の無いライダーならば10分台で走っても良いのです。
追い抜く楽しみと、抜かれる時の尊敬感。(決して屈辱では無く、尊敬なのだ)
一定の時間で、何周もするから、見ている人も楽しいし、
応援する家族の前を「お父さんがんばって~!」と言われ走る事も出来る。
(彼女の可愛い声援も、バッチリ聞こえて、嬉しいしねえ~♡)
途中で休んだって構わない。自分のペースで走ればいい。
だから、みんなが笑顔でいる。
他人の笑顔を見て、自分も笑顔になれるし、誰かの「楽しい~♪」の声を聞けば、
なぜか自分も、もっと楽しくなる”魔法”にかかってしまうのだ。
ダウンヒルも、「ヒヤッ」とするような、危険な箇所は無いし、
ツーリングも、その他すべてのイベントも、華やかさが違う。
先月行われた”諏訪湖はらっぱMTBレース”も短いコースで周回数を重ねるもので、
小学生でもベテランでも充分楽しめた内容だった。みんな笑っていたし、
また走りたい・・・というか、挑戦したいと思うコースでもありました。
今度は自分に課題を与えて、走りたいし、皆さんを誘ってチームプレーを楽しみたい。
簡単過ぎるコースはプロライダーからすれば、テクニックを発揮できす、
ある意味、面白くないかもしれないが、
私達のMTBレースとは、これで良いのだと思います。
激坂、ロングライド、テクニカルなレースは、プロに任せておきましょう。
「それでは選手が育たない」と言うかもしれませんが、それはそれ。
多くのライダーは「自らの楽しみ」を求めているんだと思います。
楽しいレースとは、コースにあり、そこに笑顔と歓喜が溢れている事。
もちろん、個人個人の思いも重要だが、
走り易くて、周回が出来て、ライダーと応援者も一体感があるレース。
本来、レース(大会)は、楽しいものなのだ・・・。
ゴールラインを踏んだ達成感は、何とも言えない幸福なのだ。
私達ショップも、MTBの楽しさを伝える事や、レースへの誘いをサボっていて
大きく反省する事も多いのだが、今、改めて、あの頃を思い出したいと思う・・・。
”必ず、自分に勝つ事!” これだけで、十分な目標だ!
一緒に、走って行きましょう~!