自転車屋とは・・?
自転車屋さんは・・・、
”自転車を販売する店である。” ・・・と同時に、
”修理、修復”など、お客様のお困り事や、依頼に応える人が居る所である。
これは、私(店長)の思う自転車屋としての姿であり、理念であり、
基本の柱として、真ん中にある”背骨”である。
理想としては、
常に最先端、流行に敏感で、情報発信力も高く、時代をリードする。
新しい物事を追いかけ、沢山の自転車や、部品類を展示し、お薦めし、
また、店員(人)として、見た目もカッコ良く綺麗でさっぱりとして、
接客や人当りがよいこと・・・。
これは、業種を問わずショップ(人)として、とても正しい事なのだが、
全てを応えることは、とても難しいし、無理でもある。
ましてや、現在の当店(私)が出来ているとは思ってもいない…。
だが、これが出来ている店(人達)こそ人気があり繁盛し、
指示されている訳だから、日々の努力と積み重ねは大切なのです。
出来ない事を、言い訳にしている店や人は、やはり、
ダメダメ~っと、言えるのだろうな・・・。 (>_<)なぁ自分。
小さな個人経営店では、機種が増えれば増えるほど、
店主一人で扱うには、とても大変なことが多い。
「財力があれば、お金があれば…」というが、そうじゃない。
商品管理だけではなく、知識も追いつかず浅くなってしまうからだ。
販売する以上は、責任があり、アフターサービス(修理・修復・使い方)など、
情報の整理と、向き合い方と、その姿勢も、問われるものだ。
だから、仕入れも販売も、”慎重”にも、時は”臆病”にもなるし、
正しい事を探す時間が、長くなってしまいます。
なんでも広げ過ぎると、手が届かない所が出て来てしまうという事。
これでは、プロとして、ダメな訳です。
「修理も修復も出来ないヤツが、モノを売るんじゃねえ!」
と言われたのが、店長の修業時代。あれこれ、30年以上の話…。
自転車に限らず、家電でも、時計でも、洋服でも、靴でも同じ。
「何か遭ったらどうするんだ?」といつでも教えられてきた。
これは、自分自身の事ではなく、販売後に応えられなかったら、
「結果的に、お客様に迷惑がかかる。」という教えである。
メーカーや仕入れ先には頼らず、自店で完結させるという基本中の基本。
この”覚悟”を心に置く者は、時代や流行に関係なく本物であるのだな。
私は、常々そう思っている・・・。(ただ旧いだけかな?)
”店はお客様の為にある。”
これは、私が学んだ”商人哲学”ではある。・・・もちろん、
その他の教えや、いろいろな言葉、考え方を聞いてはきたが、
”お客様の為”。これ以上の的を得た言葉は無いと、今もしみじみ感じている。
・「最先端でカラフルな物がいつでも展示された、綺麗な店」
・「生活の匂いがしない、テーマパークのような非日常空間」
・「笑いと洒落の効いた、軽快なトーク&接客」
都会から戻って来た若い頃は、こんなコンセプトの店作りと、自分作り?を目指したが、
時と年は流れ、今では作業場にばかり、工具を手にした、
油にまみれた自分が居る・・・。(^_^;)
時代に出遅れたという訳ではない。
「私が、時代に求められてきた。」と、都合良く思っている。
皆様も知ってのとおり、今はどこでも、何でも売っている。情報も入る。
スーパーや量販店だけではなく、インターネットで世界の国から購入出来るのだから、凄いね。
そんな事で、買い物は、簡単で安易な行為になった。
「販売する責任」なんて聞かないし、言わないし…、
本来、モノ売りとして大切な心(魂)である”店という自分”が、無くても良いみたいだ・・・。(とっても残念…)
メーカー採用の純正品ハンドルを切る・・・子供の肩幅に合わせて乗り易くする。
こんな事、”自分”という気持ちが無ければ、やれません。
私は、乗り物屋ですし、”安全で丈夫で快適さ”を目指します。
なんでも売っている雑貨店とは、違います。
いくら、有名なブランドだって、「こりゃダメだろう!?」と思えば、
お薦めはしないし、販売は自粛する・・・。(当然だ)
良い物を、買って、乗って、笑顔になっていただくのが、仕事です。
その先に、お困りの事が居たら(出たら)、即対応する。
それが、私の、”自分という自転車屋”なのです。(なんてシンプル!)
食堂やレストラン、各料理屋さんだって、
美味しいお料理を食べていただき、
笑顔に、元気になっていただける事に、一生懸命ですよね。
だから、
素材を吟味し、調理法も考え、温度も、器も、出し方も考える。
単純に、
「お腹いっぱいになれば良いじゃん…。沢山呑めれば良いじゃん…。」
そういう人(お客様)も居るでしょう。うん。それが悪いとは言わないが、
お店として、店主の考えもあるし、”自分の思いが強く在る人”ならば、
お店ごとの個性、こだわり、というものが、自然に出てしまうだろうな…。
「もっと、もっと・・・」ってね。これ、”愛情”とでも言うのかな?。
おもてなしの心
最近、実に薄っぺらく安っぽい言葉になってしまったが、
皆様は、どう感じておられますか?
もてなす心は、十人十色であるし、それぞれの役割もある。
ブスッとして無口だが、きちんとした仕事をすれば、それも心。
笑顔で、明るく、接客が良い人、それも心。
誰にも目に留まること無く、裏の裏で働く人、それも心。
それぞれの位置で、それぞれのやり方が総合して作られるのが、
もてなす心であり、その形こそが、店のおもてなしだと、私は思う。
逆に、お客様の心も大切だ。
”もてなされる心”を、意識し、持つ事により、その人の品格や行儀が変わり、
お店とお客の心が両想いになり、一体になる。
もてなしの宴とは、このような事で起こる、夢の一瞬であるのでないだろうか。
神対応とか、塩対応とか、チープな評価をしたがるのが流行っているが、
心が通じていない時は、何をやっても、上手く行かないものです。
(男女交際と一緒・・・かな!?)
寒くなって来ましたね・・・。(ハァ~)
お風邪などひかないように、ご注意ください。
自然災害による、心の痛みは、とてつもなく大きいですが、
私達に出来ることは、前を向き、上を見上げ、笑顔でいる事だけです。
無理な笑顔が正しいとは思いませんが、
それでも、周囲は、少し明るくなるはずです・・・。
一緒に、頑張りましょう!
タカヤマサイクル店長:高山真